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連日で頑張ってみます。獣最終回はかなり心の中で大盛り上がりを見せている様子です(笑) 私にはきっと別の最終回が見えてるんでしょうと、生暖かい目で見守ってやってくださいませ;
本当にただいま妄想・捏造が爆裂中ですよ! というわけで、ようやく青組な最終回ネタその1です~。 *** 全身を貫くような痛みはほんの一瞬で。 「ロックマン・・・?」 乳白色で包まれた何も無い空間に佇み、熱斗は小さくその名を呼んだ。 ここはどこなのだろうか、とか。 自分はどうなったのだろうか、とか。 そんな気持ちは欠片も浮かんでこなくて。ただ、その存在だけが心を占める。 「なあ、どこだよロックマン!」 今度は大きな声を張り上げて、呼んでみた。 わんわんと響いて遠ざかっていく自分の声は、どこまで届いていったのか測ることが出来ないほどに広い空間へとかすれて消えていく。 「・・・ここは、お前の世界なのか?」 広く広く、何も無い乳白色。 ここがロックマンの中なのだろうかと、熱斗はぽつりと呟いて、返らない応えを待つままその場に立ち尽くした。 俺が、ロックマンとクロスフュージョンして、止めてみせる。 そう叫んでPETをかざした。 制止する声が周りからいくつもあがり、けれど全てを振り払い、あのときの自分にはロックマンしか見えてなかったのだ。 シンクロナイザーが獣化すれば世界が滅亡するだろうとか、究極の体を手に入れたワイリーがフォッサアンビエンスを越えて地球を襲撃しようとしていることとか、そんな大きな事件よりも。 ただ、友達が苦しんでいる。 それだけが自分を動かす行動理由で。 強い光と衝撃を感じた瞬間、意識は真っ白に塗りつぶされた。 気配は確かに感じている。 ロックマンは、ここに居るはず・・・いや、ここがロックマンの中であることは判っていた。 「ロックマン、返事をしてくれよ、なあ!」 呼びかけにも反応は無く、いつもならば打てば返るような声が耳に響かないことは酷く焦燥を生む。熱斗はどちらを向いても白ばかりの空間で、頭上を見上げて彼を呼び続けた。 こんなにも周りは求める相手の気配に満ちているのに、呼びかける声にその存在を掠めることすら叶わない。つかみ所の無い雲を捉えようとしている感触に、時間の感覚が狂ってくるような気分だった。 既にどれほどの時間をこうして呼び続けているか、判らない。 ほんの一瞬なのかも知れないし、もしかしたら何時間も経過しているのかも知れない。肉体的な疲れも痛みも遮断された空間では、何もかもが曖昧なのだ。 何も無い。 こんな、何も無い空間が本当にロックマンの心の中だというのだろうか。 「返事しろよぉっ!」 両手を一杯に伸ばして、指先が空をかいた。 そこには何も無いはずなのだけれど。 「・・・ロックマン?」 指先に触れた温かい空気に、ぴくりと熱斗の眉が震える。 その温かい存在を彼は良く知っていたから。 そろりと今度は慎重に指先を彷徨わせて、やはり手のひらをすり抜ける周囲の空気は、先ほど感じたそれと同じく包み込むような温かさを持っていた。 「この、空間全部が・・・お前なのか?」 そうだとしたら、どれほど広い存在というのか。 全てを飲み込み包んでくれるような、終わりの無い空間をぐるりと見回して。熱斗は感嘆のため息をついた。 ロックマンは。彼は、その言葉通り世界を包もうとしているのだ。 広く温かいその全てで、世界を救おうとしているのだろう。 この包容力は果たしてシンクロナイザーの力の一端なのか、それとも彼自身の元々の性質なのかはわからなかったが。 「感じるよ、ロックマン。この全てが、お前なんだ」 薄く延ばした幕のように広がった気配。 探しても見つからないはずである。こうして熱斗を包んでいる乳白色の場所自体が、求める相手そのものだったのだから。 「けど」 もう一度、熱斗は両手を広げて天を仰いだ。 今度は真っ直ぐに見据えるように。 求めるように呼びかけるのではなく、睨みつけるような強さで。 「そんな、世界を見つめてないでさ」 シンクロナイザーの力は世界を救うために存在するのだろう。 その力を継承したロックマンは、その力で世界を覆い癒すのが役目なのかも知れない。 けれど。 「俺の手は、ここだ」 彼だけを攫っていこうとするのならば、例え相手が世界だったとしても熱斗は許さなかった。 その手だけは、誰にも渡すものかと。 「ちゃんとこっちを見ろよ、ロックマン」 片方の手は互いを結びつけるために、堅く握り。 二対の開いた手のひらで広げる限りに世界を守ろう。 ひとりよりも2人のほうが、伸ばす腕は広くなるはずだから。 「一人だけで戦うなんて、許さないからなっ」 伸ばした手の先にぴたりと寄り添う熱を感じて、熱斗は安心したように優しく微笑むと、引き寄せた存在を強く抱きしめながら名を呼んだ。 それに返る自分の名前を、耳の片隅で聞きとめる。 ありがとう、熱斗くん。 そよ風のようにうなじを撫でて行く声と共に、伏せた目を力強く開き見上げて。すると強い光が彼らを呼んでいるのが聞こえた。 世界が、自分たちを待っている声。 「「いこう」」 重なる心音と、意識。 そして同じ声で呟いて。 背に広がる純白の翼を羽ばたかせると、彼らは一つの体でその地を蹴った。 その役割を、一緒に果たすために。 *** 本当は獣化したロックマンと熱斗くんの一騎打ち(さよならブルースでの赤組みたいに)を考えもしたのですが、青組のイメージは私の中で純白なので、こんな感じになりました。 精神と時の部屋(そんなまた古い>笑)みたいな感じです、たぶん。 自分の全部をかけて世界を守ろうとしてるロックマンと、そんな広い包容力にひっそりと嫉妬して「俺を見ろよ!」な感じに呼び戻しちゃう熱斗くん。 ところで白い翼をはためかせて飛ぶCF熱斗くんには激萌えで悶え死にそうなのですけど、私だけですか!?(ドキドキ) 羽に弱いんですよ・・・もうもう! 最近は彼らの心の動きばかり追ってたので、次はもっと普通のどたばたした風景を書いてみたいです。いえまだまだ書くつもりですよ、最終回!!(どれほど萌えたんでしょう、という感じですね>笑;) そういえば獣+の1話も観ました!!激可愛い青組に撃沈しそうです!! ・・・あわあわ、もうかなり楽しくてたまりませんvv そっちもまたいずれ語りたいです~。
by mmk2005
| 2006-04-12 15:43
| ◆ 小話-エグゼ
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