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久しぶりにデカ熱な小話です。苦手な方はご注意下さい。
でもデカオの出番は無し(笑) ビースト19話ネタですので、まだ観ていない方はネタバレにご注意下さいませ。折りたたみます~。 *** 「カレー対決は、パクチーさんの勝ちー!」 わあー、ぱちぱちぱち。 歓声と共に妙な盛り上がりを見せる今日の食卓。 食事は大勢で楽しく食べるのが良い。そう言ってこの勝負を了解したパクチーは、満足げな微笑を浮かべたまま、自分が作った料理を口に運ぶ人々を見つめている。 負けたディンゴの方はというと、悔しくてたまらないのか何度も地団駄を踏んで、色々なことを叫んでいた。 「それでは、審査委員長の熱斗くん、総評をお願いします」 「えー・・・それでは、僭越ながら」 祭り好きの性質は元からである熱斗もロックマンも、なりきって声色を変え、それがまた周囲に朗らかな雰囲気を運んでいく。 そんな中、熱斗の隣に座っていたライカからはぽそりと小さなコメントが届いた。 「俺はディンゴのカレーの方がうまかった」 (確かにうまかったけどね) 心の中だけでそれに頷きながら、熱斗はけれどそれをあえて無視して。 目の前に並ぶ2種類のカレーをいつものように幸せな笑顔で頂いたのだった。 「俺は、ディンゴのカレーの方がうまかったぞ」 まだ言っている。 料理対決の賑わいも去り、楽しい食事が終わったら、みんなはそれぞれの仕事にまた戻っていった。熱斗もまた毎度のようにパクチーの手伝いのため、食器を片付けたり夕飯の下ごしらえをしたりと、食堂にやってきていて。そんなところで、まだ意見を曲げないライカがどかりと隣を陣取っている。 「まあ確かに、ディンゴもうまかったけどさー」 確かにMaHaのカレーは最高と言えるほどの味だった。 世界中のカレーを食べ歩いて、その中でも熱斗が一番美味しいと(はる香の作ったカレーは除いての話。家庭の味はまた別格だ)思っていた。 しかし、総評の際にも言ったことだけれど。 「MaHaカレーはやっぱり肉向きなんだよ。だから、その分ちょっと減点」 あのバランスが取れたすばらしいコクと香りを思い出す。 3食がカレーでも全く飽きない熱斗にとって、その味を思い出すのは容易なことだった。ディンゴが作ったそれもレシピに従ってとても美味しいものであったし、実際に食堂でも喜んで食べる人が大勢居た。けれどあまりに身に染み付いた味ともいえる熱斗は、その違いに気づいて、思わず手は緑の旗をあげていたのだ。 「・・・ディンゴのカレーの方が、俺はうまかった」 「あー・・・はいはい」 がくり、と項垂れてとりあえず頷いておく。 ライカは言い出したら聞かない、ということがいままでの付き合いの中で嫌というほどわかっていたから。けれど頷いても、熱斗の感想は変わらない。 「なんか、MaHaのカレーが恋しいなぁ」 思い出したら突然食べたくなってしまった。 食欲をそそるスパイスの香り。 全く同じ配合を知っているはずのディンゴが、けれど作ったカレーはあの味に遠く及ばなかった。やはりそれはマハ・ジャラマ曰くの「厳しい修行」とやらに彼がまだ耐えていないせいなのだろうか。 「ここにデカオがいたら、いつでもカレー作ってもらえるのになー」 「ね、熱斗くん・・・?」 何を言い出すのかと慌てて声をかけるロックマンに、しかし自分の発言にまったく気がついてないまま、ぼんやりとしている熱斗。すでに心は懐かしいMaHaカレーへと飛んでいるようだ。 「MaHaカレーが食べたい、デカオのカレーが食べたい、いつものカレーが食べたい」 ぶつぶつと呟いているそれは、もしかしてホームシックというやつか。 とりあえずここにパクチーが居たならば「私の料理で満足できないってのかい」と大声で怒鳴られたに違いない。幸い、彼女は食材を取りに港へ行っているが。 けれどこのまま放っておくわけにもいかず、どう声をかけたものかと、ロックマンは過去の全記録を高速で検索し、考えた。 「うう、ロックマン」 けれど、ロックマンが声をかける前に、熱斗の方から行動があり。 今度は何を言い出すのだろうと身構えつつ、ロックマンは応じる。 「な・・・何?」 これ以上とんでもないことを言い出すようならば、ライカに頼んで・・・いや、ロックマン自らが実体化してでもこの場を退場願いたい。 けれどロックマンの願いも虚しくかき消え、熱斗は問答無用とばかりにさらなる爆弾を投下した。 「俺さ、あいつのカレーが無いと生きていけない体になってるのかも」 デカオのカレーは確かに美味しい。 そして熱斗が無類のカレー好きというのも事実。 毎日のようにカレーほ食べに、MaHaに立ち寄っているのも知っているし、仕事が長引いたときなどは、MaHaから特別出張で出前が届くこともしばしば。 ・・・それは知っている、知っているし嘘でもないのだけれど。 「熱斗くん・・・その言い方は、かなりちょっと、あれだよ・・・」 プロポーズか、それは。 投影された立体映像のまま、ぐったりと目の前の青いPETにもたれかかり。 こぼれる涙まで忠実に再現できるのだから、やはりこの新型PETは無駄に高性能だなぁと、そんなことをぼんやりと考えて。 とりあえず現実逃避に走る、ロックマンであった。 End. *** 久々のデカ熱。けれどなんだかオチまで不発な感じでした; 一生俺の味噌汁を作ってくれ!という定番のプロポーズ。熱斗くんならば一生カレーを作ってくれ、とかなりそうだなぁと。しかも無自覚にそんなことを言ったり。そしてデカオも無自覚に、お前のためならいつでも作ってやるぜ、とか言ったり。それを聞いた周囲の方が恥ずかしくてたまらなかったり。 ・・・あわあわ、すみません;; 大暴走です。 そして後からロックマンとかに言われて自覚して、真っ赤になってしばらくデカオに会えなくなる熱斗くんとか。(デカオはあくまでも無自覚なので、気づくのはきっと熱斗くんの方です) どうしてでしょう・・・デカ熱は本当に激甘になる気が(笑) こんな馬鹿やってるサイトはきっとうちくらいのものですね;;
by mmk2005
| 2006-02-22 10:41
| ◆ 小話-エグゼ
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